ACT3 「あ・・・っ。あ・・・あっ・・・・」 ファントムの上に跨り、深々と彼自身を受け入れた体勢―――騎乗位になったまま、アルヴィスは苦痛とも快楽ともつかない声を上げていた。 ファントムの太い楔が自分の体内に深々と突き刺さり狭い内部を押し広げ、アルヴィスの弱い箇所ばかりを擦り上げている。 その刺激にすっかりアルヴィス自身は勃ち上がり、だらしなく厭らしい涙を零し放題な状態で、それが二人の繋がった箇所まで伝いグチュグチュと濡れた音を立てていた。 その恥ずかしい姿を余す所無くすべて、ファントムに見られているのだと思うと居たたまれ無さで死にそうだ。 けれど、彼がそれを望むのならば、アルヴィスは従わなければならない。 彼の言葉は、絶対だから。 そして・・・・。 1人で達するのはダメだとも、ファントムに言われた―――――ならば、これも耐えなければならないのだ。 しかし、もう限界だった。 だってファントムが深々と自分を貫いている。 少し腰を揺すられるだけで、内部が酷く擦れて漏らしてしまいそうな程の快感が走るのだ。 「あ・・・あぁっ・・・・」 どうしようもなく、気持ちがいい。 後ろをギュウギュウに締め付けて太くて硬いファントム自身を感じながら、厭らしい液体をぶちまけられたら、どんなにか快感だろう。 けれど、ダメだから。 出したら、ダメ。 動かないようにしないと―――――─そう思うのに、彼を嬉々として咥え込んだ身体は勝手に揺れ、気持ちよさに腰が動いてしまう。 こんな事なら、先程のまだ身体が慣れておらず激痛を感じていた時の方がまだマシだった。 「あ・・・っ、ああぁあっ!! ファン・・トム・・・ぅ、」 気持ちよすぎて、辛くて・・・・・アルヴィスは涙を流した。 「どうしたのアルヴィス」 ファントムが手を伸ばしてきて、優しくアルヴィスの涙を拭ってくれる。 しかしそれすらも、アルヴィスには性的な快感を生むのだ。 「も・・・、も・・・ダメ・・・です、出ちゃ・・・・っ!!!」 苦しさと快感に、アルヴィスは足を大きく広げ中心で存在を主張している自分自身を両手で強く握り込んだ。恥も外聞も無い。 「ごめ・・なさ・・・っ!! 出ちゃう・・・・・っっ、」 必死に堪えようとするが、先端から勢いの無い薄い精が溢れ出してきて、握り込んでいるアルヴィスの指を伝っていく。 「あ・・・ああぁ・・・・・」 アルヴィスはか細い声を上げて、しまったというように唇を噛んだ。 達してしまった―――――ファントムに、言われていたのに。 「・・・・いいよ」 宥めるように再びファントムの腕がアルヴィスに向かって伸ばされ、上体を起こした彼に深く口づけられる。 「ふ・・・うっ、」 その拍子に繋がった下肢が甘く疼いて、口付けられたままアルヴィスはくぐもった喘ぎを漏らした。 「アルヴィスがとっても可愛かったから・・・・許してあげるよ」 穏やかな口調だった。機嫌を損ねていない事を、アルヴィスは密かに安堵した。 「ファントム・・・」 そう言ってファントムは、自分と彼の位置を入れ替え、アルヴィスを組み敷く。 そして、再び激しく腰を使い始めた。 「あ・・・っ、」 下肢から響く強い愉悦に、アルヴィスが仰け反る。 激しすぎて、このままではまたすぐ、イッてしまいそうだった。 「ファン・・トム、待っ・・・あ、あ、あ・・・・!!」 制止の声も、ままならない。 苦しさとも快楽とも判断がつかないまま、アルヴィスは夢中でファントムの背に縋った。 「や・・・っ、またっ! またイッちゃ・・・・!!!!」 ファントムの言いつけをまた破ってしまう事が嫌で、逃れようもないくせにアルヴィスは激しく首を振った。 気持ちいい。 苦しい。 感じる。 痛い。 擦れる。 漏れそう。 息が出来ない。 死にそう。 ・・・・気持ち、いい。 相反する感覚に、翻弄される。 「―――――いいよ。イッていいよ」 優しく囁かれる、声。 ―――――───いっしょにイコウ? 一つに溶け合って、永遠を感じよう? 「・・・・・・・・・・・・っ!!」 ぎゅっと抱き合って、体内に在る『彼』と・・『彼』の熱さを感じて。 隙間がないくらいに抱きしめあって、二人で一つに溶け合って。 こ の ま ま 、 永 遠 に な り た い 。 「・・・・・・てるよ」 繰り返し、囁かれる甘い声。 混濁した意識の中、その言葉の意味は、理解できなかったけれど。 気持ち、いい・・・・。 霞む意識の中、アルヴィスはとてもとても、幸せな気持ちで眠りについた―――――───。 Next 4 |