『君のためなら世界だって壊してあげる』
ACT 59 『Anniversary-2-』
理事長セルシウスと、ペタは縁戚(えんせき)関係にある。
しかし、あくまで遠い関係であり血のつながりなども無く、ペタがセルシウスが理事を務める大学病院へ赴任するまで殆ど顔も合わせたことが無かったような間柄だった。
両親の薦めで、ペタは中学の途中で海外へ留学してしまったから尚更である。
だから当然、8歳上だという彼の長男ファーレンハイトには逢ったことが無かったし、その息子・・・つまり理事長の孫なのだが・・・『ファントム』という少年のことなどは、存在すらも知らなかったというのが正直な所だ。
もう1人の理事長の息子・次男のカペルはまだ独身の筈だったから、セルシウスに孫が居たということを知っている者は縁戚にも、そう居ないのではないだろうか。
――――――まあ、そうは言っても。
身内間にすら、伏せられていた理由は分からないでも無い。
その孫の父親ファーレンハイトは、旧財閥系の流れを汲む、由緒正しきアリュマージュ家の当主であり、更に国内でもその規模とレベルの高さで名を馳せている大学病院の理事長を務めている男(セルシウス)の、跡取り息子だったのだ。
それが、海外で知り合った素性の知れぬ娘と駆け落ちした末に事故死したというだけでも充分にスキャンダラスであるのに・・・・ましてその2人の間に子まで為していたとなれば、世間体がかなり宜しくない上に後継者問題までが勃発してしまう。
そういった類のゴタゴタは外部の者にとっての格好の餌であり、有ること無いこと綯い交ぜ(ないまぜ)にして、いい加減な噂をバラまかれかねない厄介なモノだ。
だから、外部に漏れたら都合が悪そうなことを隠してしまうのは、名家と呼ばれる家柄では当たり前に行われていることではある。
その子供が優れた素質を垣間見せなければ、一生日陰のみで認知されることもなく過ごす羽目になったのは間違いなかった。
認知されたらされたで、後継者争いに巻き込まれ、やはり平穏無事でいられないのだろうが―――――――それは、ペタには与(あずか)り知らぬことだからして、構わない。
ペタに命じられたのは、その孫とやらの留学先でのサポート・・・という名の『監視』であり、決してその未来を案じ守り通すという類のものでは無いから、孫がどういった道を歩もうが、どうでもいい。
無事に後継者の座を勝ち取ろうと、はたまた途中で脱落してしまおうと、言われた通りに医師の資格さえ取らせてしまえれば、ペタの責務は全うできたと言えるのである。
――――――・・・・問題は、御(ぎょ)しづらそうな性格か・・・・。
「・・・・・・・・・」
理事長セルシウスの、孫への評価を思い出し。
彼の邸宅へ向かいながら、ペタは内心で少々厄介かも知れない、と溜息を付く。
愚かなのはどうしようも無さ過ぎるから、賢いのは歓迎だが・・・余りに口が立つようならば、それはそれで面倒だ。
煩(うるさ)いのは、嫌いである。
「・・・・・・・・・・・」
ペタ自身に留学経験があり、英会話に不自由しない程度には話せるとはいえ、ネイティブ相手に反論するのはなかなかに骨折りだ。
英語で興奮して早口で喋られたら、流石に聞き取りにくいし。
言葉を端的(たんてき)に端折られて会話されると、意味自体が掴みにくくなる。
「・・・・・・・・・・」
しかし、逆に都合の悪いことは聞き取れなかったことにして無視を決め込めば良いか、と結論づけた。
無視したいのは会話の内容であっても、言葉自体を理解できない振りをすれば良い。モノは考えようである。
格子に蔦(つた)の絡まる意匠が施された門扉(もんぴ)をくぐり、美しく手入れされ花が咲き乱れる庭園を左右の視界に入れながら。
ペタは中央の、真っ直ぐ伸びた石畳の道を歩く。
やがてその先に、白く縁取られた幾つもの出窓が特徴的な、煉瓦(レンガ)造りの洒落(しゃれ)た屋敷が見えてきた。
絵に描いたような英国式庭園と、その屋敷だ。
「・・・・・・・・・・」
ここの主が英国の文化に酷く傾倒しており、英国貴族の娘を娶ったことは身内の間でも有名である。
噂では、その貴族の血を引いた長男にも、それ相応に貴族の花嫁を宛がうつもりだったらしいから――――――そういう意味でも我が子の出奔(しゅっぽん)は、セルシウスにとって許し難いものだったに違いない。
だからこそ、その長男の子がまた同じ轍(てつ)を踏まぬよう、ペタが監視役として抜擢されたのだろう。
ペタには、甚(はなは)だ迷惑な話である。
「・・・・・・・・・・」
ペタは今日、これから共に過ごすことになる孫息子『ファントム』に挨拶するために、この屋敷へ出向いたのだ。
一応の、顔合わせというヤツである。
紺のワンピースに白のエプロンを纏ったメイドに、ペタは屋敷内の一室へと案内された。
そして、その時にメイドが扉のカギを開けるのを見て不思議に思う。
外側からのカギ。
それはつまり、中に閉じ込めているということに他ならない。
「――――――旦那様のご命令なのです」
「・・・・・・・」
「お坊ちゃまが、勝手に屋敷内を歩かないように・・・と」
「・・・・・・・」
「ワタクシ共も、あんまりだと思うのですけれど・・・」
ペタが不審に思ったのを感じたのか、聞かれもしないのにメイドが言い訳をして引き下がった。
屋敷内を勝手に歩かせないとは、どういうことか。
疑問に思いながら、ノックをして室内へと入り――――――ペタは、そこで納得をする。
「・・・・Who is this ? (誰?)」
シャワーを浴びた後だったのか、タオルで髪を拭いながら此方に声を掛けてきたその姿は、確かに『異質』であったのだ。
「―――――・・・、」
一瞬、挨拶の言葉を口にするのも忘れて少年を凝視しかけてしまい。
慌ててペタは、顔に形ばかりの笑みを貼り付けて口を開いた。
「Nice to meet you,Phantom.(初めまして、ファントム)」
「・・・・・・・」
「May I introduce myself ? I'm・・・(自己紹介しても? 私は、・・・)」
名前と用件を説明しながら、ペタは眼前の子供をじっと観察する。
宗教画を専門に描く絵師が、これこそ理想の生身の天使像だと感嘆の叫びをあげて飛びつきそうな――――――酷く整った容姿の子供だ。
水晶か何かで作られた糸のような、サラサラとした輝く銀の髪に、抜けるような白い肌。
大きなアーモンド型の瞳に高い鼻梁、そして薄く形の良い唇・・・理想的なカーヴを描く優美な輪郭に収まる、それらのパーツ配置も完璧で。
まだ幼いながら寒気がするほどの美貌とは、こういう顔立ちのことを言うのかも知れないと、ペタは漠然と思った。
生物の表層部分の造形などは、人間を含めて単なる遺伝子上の組み合わせによる産物で。
それらに優劣をつけ美醜を判断し、価値を見出すのは――――・・・さして意味のない、人間だけが行う愚かな所業だと思っているペタだったが、流石に感嘆の息を呑む。
それ程に少年の姿は、美しいものだった。
だが、―――――その容姿の美しさには、どこか異質さが漂っている。
人外の美、とでも言うべきだろうか。
それが余計に、彼の容姿を美しく際立たせていると言ってもいいだろう。
少年は、左右色違いの瞳をしていた。
長い前髪の間から覗く形良いアーモンド型の眼窩(がんか)に、填め込まれている左右の眼球の色が異なっているのだ。
左目がアメシストを思わせる、澄んだ紫色なのに対して――――――右目は、陽に透かした蜂蜜のような黄金色をしている。
どちらも、余りお目にかかれない珍しい色の虹彩(こうさい)だ。
紫は体内のメラニン色素が極めて薄い時にしか現れない色であるし、金色はそれ以上に人間には出にくい色である。
まして、それらが左右非対称に出るというのが非常に珍しい。
人間には余り発症しないが、猫には良く見られる症例で虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)という・・・・俗に言う、オッドアイと呼ばれるモノである。
彼の祖父セルシウスが、これを他人に見られるのを嫌がったのだろうことは容易に想像できた。
ついでに言えば、セルシウスとこの孫息子では余りにも容姿のイメージが違い過ぎるから、祖父と孫・・・という連想が出来ず、2人はどういう関係なのかと奇異の眼で見られる可能性も高いだろう。
元は茶色だった艶のない白髪頭に暗緑色の瞳、典型的な東洋人の肌色をした厳(いか)つい顔立ちのセルシウスと、この優美な姿の少年では、共通点が無さ過ぎる。
セルシウスの息子がどういう容姿をしていたのかは知らないが、とても血の繋がりがあるようには見えなかった。
もしかすると駆け落ち相手側の血によるモノなのかも知れないが、それであれば余計にこの容姿が気に食わないのに違いない。
目の色や顔立ちを抜きにして考えても、この白に近い銀糸の髪が、少年の色素の薄さを強調していて―――――・・・セルシウスとは別の生物のようにしか思えなかった。
ともかく、同じ血を引いているとは思えない容姿をした孫を、セルシウスとしては人目に晒したく無かったに違いない。
そんなことを内心で考えつつ、ペタは一切の感情を押し隠した瞳で少年に問いかける。
「Are you busy now ? I need to talk to you・・・
(今、よろしいでしょうか? お話があるのですが・・・)」
「No,not really.(いいよ。聞こうか)」
少年は、部屋の隅にあるソファを顎でペタに指し示し、濡れた髪を拭いながら自分はベッドへと腰を下ろした。
「・・・・・・・・」
だが聞くと言った返事とは裏腹に、少年はペタの方を見ようともしない。
先程からの態度といい、物言いといい・・・確かにセルシウスが言っていた通り、大人だろうが自分が認めた人間で無ければ歯牙にも掛けない性格のようだ。
「・・・・・・・・・・」
とはいえ、別段ペタはセルシウスから、彼の性格矯正までは依頼されてはいない。
だからペタは、極めて事務的に自分の用件のみを伝えた。
彼の祖父の依頼で、来週の渡航に自分も同行することと、向こうでの生活をサポートするということ、そして今日はその為の挨拶に来たのだと伝える。
「・・・・I couldn't care less.(・・・別に、どうでもいいよ)」
果たして少年は、詰まらなそうな表情で肩をすくめただけだった。
それから投げやりに、口を開く。
「・・・・Be my guest.(勝手にすれば?)」
――――――渡航前からこの調子では、先が思いやられるな・・・・・。
「Don't be too hard on me. This is・・・(お手柔らかにお願いします、何しろ・・・)」
そう考えて、とりあえず少年の機嫌を取ろうとペタも言葉を紡ぎかけた、途端。
「・・・ああ、いいよ別に英語じゃなくて」
とても流暢な、日本語が少年の口から零れ出る。
流石に、ペタも一瞬言葉が詰まって何も反応をかえせなかった。
「ホントはね、喋れるんだ」
「・・・・・・・・・」
押し黙ったペタの眼前で、少年がその美しい色違いの両眼を細めて、にやりと笑う。
「あの爺ぃとは、あんまり話したくないからさ。
・・・・・全部英語で喋って、嫌がらせしてるだけなんだよねー」
爺ぃとは、セルシウスのことだろうか。
「アイツ、堅っ苦しい不自由な英語しか使えないから。
早口で喋ってやると意味も聞き取れないらしくって、すごく面白い反応するんだよ」
「・・・・・・・・・・・」
「それで、気付かれないように悪口とか混ぜ込んでさ?
アイツに面と向かって言ってやるのが、結構スリルあって楽しいんだよねー!」
「・・・・・・・・・」
ペタが言葉を失うくらい、本当に流暢な日本語だ。
つまり、彼はこのことを祖父であるセルシウスには隠し通している、ということなのだろう。
「英語の方が喋ってて楽だっていうのはホントのことだけど、・・・別に日本語がダメなワケじゃないんだ」
でもワカンナイ振りしてた方が、何かと便利だったりするからね―――――そう言って、少年は何が楽しいのか、クスクスと笑い声を立てた。
「・・・何故、今それを私にお話に・・・?」
これだけ話せるのならば、敢えて英語で話す意味は無いので。
自らの母国語で、ペタは疑問を口にした。
こちらの国の言葉が喋れない、と欺いていた方が何かと便利というのなら・・・ペタにそれを知られるのはマイナスでは無いだろうか。
「そんなの、決まってるよ」
少年・・・ファントムは、事も無げな口調で真意を明かす。
「これからボクの留学先に、キミは一緒に行くんでしょう? だったら、バラしておいた方がいいに決まってるじゃない。
キミとは、向こうへ行ったって日本語で話すつもりなんだから」
「・・・・・・・・・・」
それはつまり、ペタが使う英語では話す気になれない、ということだろうか。
確かに、ネイティブである彼ほど流暢に話せるとはペタ自身思ってはいないが、それならそれで少々問題である。
ファントムと話す時に使わなくて済んだとしても、一般的に話さなければならない言語は英語なのだから。
「・・・ああ、別にキミの英語じゃ話が出来ない、とか言ってるんじゃないよ?
キミはあの爺ぃと違って、回りくどい言葉も間違った言い方もしないし・・・・聞きやすい」
濡れた前髪を片手で摘むようにして引っ張りながら、少年はペタの語学力を肯定してくる。
ファントムが手慰みに前髪を引っ張るので、元からそういうカットの髪型なのだろうが・・・・長く伸ばした髪のせいで彼の金色の瞳が殆ど隠れてしまった。
「・・・・・・・・・・、」
そのことを、僅かだが残念に感じて。
ペタは、そんな自分の心境に驚きを隠せなかった。
左右色違いの瞳の神秘的な美しさに、いつの間にか魅せられていたらしい。
人間の顔など、どれも似たり寄ったり。
眼が2つに、鼻と口が1つずつあって、その形と配列が異なっているだけ。
それの美醜を判断して、何になる?
表面上の違いだけであって、中身はどれも似たり寄ったりの内臓が詰まってるだけの皮袋みたいなものじゃないか―――――・・・そういう認識しか、自分には無いと思っていたのだが。
「あーあ、それにしても留学かぁ・・・行きたくないなー面倒臭い」
ペタの動揺を余所に、ファントムは流暢な日本語で不満を漏らした。
「あの爺ぃとしばらく顔合わせなくて済むのは助かるけど、学校でまた1から下僕作り直さないとだし」
「・・・・・・・・」
「面倒なんだよ? 下僕つくるのも。
ま、1人作っちゃえばソイツが結構勝手にやってくれるんだけどね〜〜〜」
「・・・・・・・・」
下僕―――――要は、しもべ。
これだけ達者な日本語を操る彼が、よもや『友人』と『下僕』の意味を履き違えて覚えているとは思えないのだが・・・・。
「あー面倒だなー。でもさあペタ?
ボク達が向こう行ってる間に爺ぃが死んでくれでもしたら、まだ少しは留学するのも報われるってものなのにねえ?」
「・・・・・・・・・・・・」
それにしても、―――――少年の言動は余りに開けっぴろげだった。
ペタが自分を紹介する時に、彼の祖父セルシウスからの依頼で監視役だというのは、しっかりと告げた筈である。
つまり、ペタとセルシウスは同じ側の立場にいるのだ。
それなのに、こう何度もセルシウスへの悪口をペタが耳にするのは、ファントムにとっては非常にマズイことなのでは無いだろうか。
しかしファントムは、まるでそんなことは意に介していないように見えた。
その事態に気付いていないワケでは決して無いだろう・・・彼がずば抜けて頭の回転が良いことは、今までの会話で充分に感じている。
「ファントム、・・・・私はセルシウス様に依頼されて、貴方の後見になるのですよ?」
少年の考えが読めず、たまらずペタはそう問いかけていた。
この少年は、今まで見知ってきた彼と同年齢の子供達と余りに全てが違い過ぎる。
共に何年も過ごさなければならない人物であるならば、尚更にどういう人間なのかを知っておかねばならないというのに。
余りにも、彼が通常の子供とは逸脱(いつだつ)し過ぎていて――――――行動どころか、思考の片鱗すら読めないのだ。
「その私に、そのようなことを言われては・・・・セルシウス様に継げ口でもしたら、と思われないのですか?」
「うん」
あっさりと頷かれ、ペタは言葉をまた失った。
これで何度目だろうか・・・・この少年は、ペタの予想する態度をことごとく裏切ってくれる。
「・・・・何故ですか?」
「何故って?」
ペタの再度の問いかけに、ファントムはゆっくりと此方を見た。
長い銀色の睫毛に縁取られた、形良いアーモンド型の瞳がペタを映し・・・・冷たい印象を与える薄い唇の両端が、きゅーっと笑みの形に吊り上がる。
「―――――キミがあんな爺ぃより、ボクを取るだろうことが明白だから」
その蠱惑的な声音は、ペタが今まで耳にしたどんな言葉よりも柔らかく、そして甘やかに鼓膜を震わせた。
甘く優しく・・・そして着実にゆっくりと浸透していく、きつい毒薬のような。
1度でもその身で味わえば、2度とその麻薬のような甘美さから抜け出せなくなるだろう・・・そんな危険な香りを伴った、抗いがたい強引さをもった声。
「ねえペタ・・・・キミは、あんな爺ぃ本当は嫌いでしょ?」
姿形だけは、あどけない少年の姿をした堕天使が、クスクスと笑いながらペタの真実を暴いていく。
「爺ぃだけじゃないよね、・・・キミってホントは誰も好きじゃないんだ」
「・・・・・・・・・・・・・」
ただ生きているだけの世界に、誰かを愛する必要など何処にあるだろう?
「人間なんて汚くて狡(ずる)くて、大嫌いだって思ってる」
「・・・・・・・・・・・・・」
所詮は皆、我が身が可愛い。
表面上は善人ぶっていても、自分の身が危うくなれば手の平を返すのが人間だ。
しのごのと体裁を繕わないだけ、本能のまま生きる動物の方がまだマシだろう。
「みんな居なくなったらスッキリするのにって、思ってるでしょ・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・」
偽善や欺瞞(ぎまん)に充ち満ちた、この世界。
いっそのこと、全てを洗い流してしまえたら・・・少しは気分が良くなるだろうか。
「でも、そうできないから――――生きているのってツマラナイ、・・・って顔してるよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
そう、・・・自分はただ生きているだけ。
窒息しそうになりながら、ただ生を貪っているだけの生物。
そこに、存在する意味などは無い。
笑いながら、耳元で囁かれる言葉が甘い毒のように脳を冒していく錯覚に襲われる。
「ねえペタ・・・ボクを取りなよ?」
あんな爺ぃよりさ・・・・そう言われて、何の疑問もなく頷きそうになっている自分が居た。
―――――――ボクが、こんな世界変えてあげる。
「ボクが、キミを救ってあげるよ」
「・・・・・・・・・・・」
この年端もいかない少年が、本当にそんな己を救ってくれるような気がして。
ペタは、自分が仕えるべき存在である少年の美しい顔をただ見つめた――――――。
NEXT 60
++++++++++++++++++++
言い訳。
この後に、1の冒頭の展開へと繋がる・・・筈(笑)
『君ため』でさらっと流して書いてきた、トム様の生い立ちが今回は結構書けたかなーって思います^^
ていうか今回は、名字から名前からねつ造しまくりですよ☆
今回はペタさんの名字は出せませんでしたが、予想外にファントムの名字より、ファントムパパとかファントムのおじいちゃんの名前を出しまくりでしたね^^;
おわかりでしょうが、パパとお爺ちゃまの名前は摂氏(セルシウス=C)と華氏(ファーレンハイト=F)から取ってます(爆)
いや、名字を『アリュマージュ』としてしまったので、語呂の良い名前を・・・と思って適当に付けただけなんですけどn(殴)
ちなみに、トム様が日本語に固執してる理由は、日記にアップした『天体観測』という駄文で書いた通り、アルヴィスのためです(笑)
アルヴィスが日本語しか話せないので、トム様は日本語を完璧にしておきたいんですよね。
留学したせいで不自然な言葉遣いになったりしないように、常に使いたいんです(笑)
もちろん、留学先でだって日本のテレビ録画とか書籍を取り寄せて、話題についていけるように頑張るつもりなんですよ〜。
次回は、恐らく名前だけはアルヴィス出てくると思われます。
あ、ロランは実際出てくるかも。
一応ペタさんとロランって、はとこ?の間柄なんですよ設定では(笑)
ではでは、ペタさんとトム様の出逢い編、もうちょっと続く予定ですので今暫くお付き合い下さいませ・・・☆^^;
|