『Bird Cage』






ACT1




 瞬間、目に飛び込んできたのは。

 鮮烈な2つの青。

 目が覚めるような鮮やかで濃い色合いの―――――大きな瞳。
 最初は目の色の美しさに心奪われたが、よく見れば幼いその子供はとても綺麗な顔立ちをしていた。
 大きな瞳も、今はまだ低いが通っている鼻筋も、小さな唇も形良く・・・・全体的なバランスも完璧で出来の良い人形みたいに可愛らしい。

 あと数年も経てば、溜息の出るような美少年が出来上がる事だろう。

 吊り上がり気味で大きな瞳を見ていると何となく、脳裏に猫科の大型肉食獣の子供が思い浮かんだ。
 今はまだ幼く子猫ほどの牙と爪しか持ち合わせていないけれど、持っている素質はかなりのもの。いずれ、その容姿の美しさに惹かれ手を出そうとしてきた者を噛み殺せるようになるだろう素質が感じられた。








 今はまだ愛らしく、爪も牙も誰かを傷つける程ではなくて、か弱く脆く儚い存在。

 けれども―――――─いずれ、彼は強くなるだろう。

 その資質が、あるのだから。

 穢れなく純粋で、キレイな存在。

 傍に置きたいと、そう思った。

 この汚くて臭くて、どうにもならない腐った世界に置いておくのは―――――───余りにも勿体ない事だと・・・そう思った。






















「・・・・だからね、君を迎えに行くつもりだったんだよ?」

 ファントムは地下牢の中で屈み込み、目の前に転がった少年を見つめながら楽しそうに話を続けた。

「キレイな君を、あんな穢れた場所に置いておくのは我慢ならなかったからね。ウォーゲームが終わったら、さっさと君だけ連れてくるつもりだったんだけど・・・ダンナと相打ちになって僕は死んじゃったからね―――――─連れて来れなかったんだ。まあ、それはそれで楽しかったけど」

 迎えに行けなくてごめんね? そう言って無邪気な笑みを浮かべる。

「・・・・・・・・・」

 目の前に横たわった少年は、言葉を返さなかった。
 いや、返せなかったと言うべきだろうか。
 少年の口には、直径3センチ・長さ10センチ程の円筒形型をした木製の猿轡が押し込められており、吐き出したりして外れたりしないように革製のヒモで頭部にしっかりと固定されている。
 そして、手でそれを取り外そうにも両手は後ろに纏められ、細い鎖で縛り上げられている状態。
 両足首も同様に鎖で固定されているため、少年に出来る事は目の前のファントムを睨み付ける事と身体をエビのように曲げたり伸ばしたりする事くらいだった。
 口には猿轡を咥えさせられ、手足の自由を奪われて―――――それでも彼なりに精一杯足掻いたのだろう―――――肌は石畳の埃と暴れた時に傷付けたらしい擦り傷やら血に汚れ、衣服も髪も乱れた状態になっていたが、少年の容姿の美しさは少しも失われてはいなかった。
 小さめでキレイな卵形を描いた輪郭に、猫めいて見える吊り上がり気味の大きな瞳。スッキリと通った高い鼻梁に、薄く形の良い小さな唇―――――─殊に、黒髪ときめ細かく整った白い肌、そして濃く長い睫毛に縁取られた鮮やかなブルーの瞳の色合いは、息を呑むほどの美しさだ。

「・・・・・・・・・」

 その美しい双眸が、視線だけで命を奪う事が出来るのなら何度でも殺せそうな程の強い力でファントムを睨み付けている。

「6年振り、だよね。本当に大きくなったね・・・それに僕の予想通り、随分キレイになった」

 その視線をさも楽しげに受け止めて。
 ファントムは優しく前髪を掻き上げてやった。
 少年が身動ぎした拍子に、整った顔を長めの黒髪で隠してしまった事を残念に思ったからだ。

「・・・・!」

 途端に、少年は嫌そうに身を震わせて頭を後ろへ逸らす。手首と足首を戒めている鎖が石畳の床に擦れて、ジャラリと重い音を立てた。

「ああ、血が出ちゃったね」

 少年の様子に頓着する風も無く、ファントムは散々藻掻いた末に出来たのだろう足首の擦り傷に触れる。

「せっかくのキレイな肌なのに勿体ないなァ・・・・・でも、君が大人しくしてくれてないんだから、仕方ないよね」

 手首も傷だらけになっちゃってるよ・・・そう言いながら背面で拘束された手首の方にもチラリと視線を巡らし、ファントムは苦笑した。

「僕はね、君を傷つけたい訳じゃないんだよアルヴィス君」

「・・・・・・・・」

 少年――――アルヴィスのファントムを見上げ睨み付けている瞳には、責めるような不信の色が浮かんでいる。
 本当に本心から、傷つけたいなんて思ってはいないのに―――――──と、心の中で肩を竦めながらファントムは軽く溜息を吐いた。

「ホントだよ? 僕は、君を僕のモノにしたいだけなんだ」

 言いつつ擦り傷だらけになった滑らかな頬に唇を寄せて、片手をはだけた上着の中へと滑り込ませる。

「―――――───!!」

 瞬間、拒絶するかのようにアルヴィスの肩が震え、その華奢な身体を強張らせるのが分かった。

「僕の事しか考えられない・・・見ないようになって欲しいんだ。当然・・・・身体も」

「・・・・・・・・・?」

 ファントムの言葉を良く理解出来なかったのか、アルヴィスの形良い眉が寄せられて。
 濃い青色の瞳を縁取る長い睫毛が、バサリと音をさせそうな緩慢さで何度か閉じられ瞬きを繰り返す。
 何を言われているのか分からない。しかし、何か不安を感じる―――――─そういった様子がありありと分かる幼い態度に、ファントムは知らず笑みを零していた。
 胸に込み上げてくる息苦しい程の幸福感に満たされながら、ファントムはアルヴィスの上体を抱えるように起こして、包帯を巻いていない右手で上着の中の肌を探り始める。
 こうして彼に触れるのは、自分が初めてなのだと思うと嬉しくて堪らない。

「嬉しいよ、アルヴィス君。僕はずっと君とこうしたかったんだ・・・・」

 言いながら、滑らかな肌のプツリと柔らかく存在する突起へと指を掛けた。

「・・・・・っ!?」

 瞬間、アルヴィスの青い瞳が大きく見開かれて、息を詰めるのが感じられた。
 構わずにその突起の形をなぞるように指先で擽り、摘み上げ、爪先で軽く引っ掻いてやると、面白いように戒められたままの身体がファントムの腕の中でビクビクと跳ね上がる。

「んぅっ!」

 口に枷が填められている為に声は出せないが、顔を真っ赤にして瞳には酷く動揺した色が浮かんでいた。

「ココ、感じる?」

「・・・・・・・っ!!」

 痛みを与えられる事は、覚悟していたのだろう。けれど、こういった性的な刺激は予想だにしていなかったらしい。

「ココ、こんな風に触られるのは初めてなのかな? 気持ちいい?」

 もう一度、ファントムは優しく聞いた。

「・・・・・・・・・、」

 額にうっすら汗を浮かべ、赤い顔をしたままアルヴィスはゆるゆると首を横に振る。
 どうやら、初めて経験する未知の感覚をどう受け止めたらいいのか分からずに混乱しているらしく、ファントムを魅了して止まない強い瞳が不安そうに揺れていた。

「大丈夫だよ、怖がらなくても。・・・もっと、気持ちよくしてあげるから・・・・」

 宥めるように、ファントムは胸元を弄っていた手を離して少年の黒髪を撫でてやる。それからアルヴィスの上着のジッパーを最後まで下げきって、完全に少年の上半身を露わにした。

「・・・・・・・・・・・」

 ひんやりとした空気の地下牢で肌を晒される寒さからか、はたまたこれから何をされるのかという怯えからか―――――─恐らく後者なのだろうがアルヴィスが再び身体を震わせる。

「寒い? でも平気だよ、すぐ熱くしてあげるから」

 言いながらファントムは少年の平らな薄い胸板にそっと、体温の低い手を滑らせた。きめ細かなアルヴィスの肌は程よく温かくて、冷えた自分の手に心地よく馴染む。
 そして先程戯れ程度に触れていた胸元に、今度は本格的な愛撫を施し始めた。少年の背を抱きしめている方と逆の手で、アルヴィスの官能を煽るようになぞり摘み、擦り上げ軽く抓ってやり―――――もう片方は口に含んで、舌先でチロチロと嬲り強く吸い上げてやる。

「〜〜〜〜〜〜〜!!」

 たったそれだけの行為で、そういった経験とは無縁だったらしいアルヴィスは可哀想なくらいに反応し、びくんびくんと盛大に身体を跳ねさせた。
 嫌々するように首を激しく横に振り、自由にならない身体を藻掻かせる。
 ギュッと強く目を閉じて何とか感覚を遮断しようと試みているらしいが、全て無駄な努力にしかならず、ファントムの指先と唇に翻弄されて枷を填められた口元から切なそうな吐息を漏らした。
 煽られる官能に耐えきれず、時折うっすらと開かれる青い瞳は潤み。苦しげに寄せられた眉と枷を咥えさせられた唇からつうっと顎を伝う唾液が凄絶な色気を醸し出す。
 なまじ清楚さを感じさせる美貌の持ち主だけに、そのギャップは凄まじいものがあった。

「・・・・可愛いねアルヴィス君。僕はやっぱり、君が大好きだよ」

 明らかな官能の色を浮かべながらも、必死で耐えようとしている少年に欲情を刺激されながらファントムは嬉しそうに呟いた。

「ココもほら、こんなに固くなって・・・気持ちイイって言ってるよ」

「・・・・・っ、」

 言いながら、先程から散々刺激を与え続けたせいで固く凝り始めた2つの突起の片方に、軽く触れる。
 それだけでアルヴィスは、背に回されているファントムの腕に自分の身体を押しつけるようにして大きく仰け反った。

「ん・・・・んっ、」

 そして、もう嫌だ―――――と訴えるかのように縋るような目でファントムを見上げてくる。
 そんなアルヴィスを眺めながら、ファントムは少年の足先の方へと視線を走らせた。
 拘束されているというのに滅茶苦茶に暴れるから、鎖で戒められている箇所の皮膚が裂け血が滲んでいる。

「ああ、また血が出ちゃったね・・・痛そうだなぁ」

 肉が剔れちゃうから外してあげるね―――――囁くように言って、少年の足を固定している鎖部分に手をかざし幾重にも巻かれていたそのARMを消し去る。

「!!」

 その隙を、アルヴィスは逃さなかった。
 乱れた息もそのままに、すぐさまファントムの顔面目掛けて少年の自由になったばかりの膝が繰り出される。

 だが。

 バシッという軽い音が響いただけで、アルヴィスの膝がファントムに届く前に、彼の手によって脛が掴まれ・・・・・・グイッと逆に足を大きく割り開かれる羽目となった。

「何? そんなに待てなかったのアルヴィス君?」

 組み敷いた相手の悔しそうな顔を見て、ファントムは楽しげな笑みを浮かべる。

「でもダメだよ。・・・まだ色々、準備しなくちゃいけないんだから」

「・・・・・・・・」

 再び石畳の床に頭を落とし、拘束されたままの両手を身体の下敷きにしたままアルヴィスは、それでもまだ抵抗を諦めてはいないらしく、不自由な体勢のまま何とか逃れようと身を捩った。
 それを包帯を巻いている方の手で膝を押さえつけ動きを封じつつ、ファントムは少年の下半身を覆う衣服へと手を掛ける。

「!?」

 アルヴィスの顔が更に強張り抵抗も激しくなったが、その程度の力をねじ伏せることなどファントムにとっては造作もない。
 まして少年は両手を拘束されているままなのである―――――─アルヴィスの下半身を一糸纏わぬ状態にすることなどは赤子の首を捻る事よりも容易であった。

「・・・・・・・・・」

 少年の足の間に自らの身体を移動させながら、ファントムは剥き出しにしたアルヴィスの身体をじっくりと眺める。
 脱がされた上着が拘束された両腕に引っかかっているだけの状態なので、アルヴィスの身体を隠すものは何も存在しない。
 腕、そしてファントムの右手と同じ炎型の刻印が施されている胸から腰と足に向かって身体全体に絡まるように伸びている、血のように濃い色をしたタトゥ。
 白い首筋、剥き出しの肩、平らで薄い胸板から無駄肉ひとつついていない細い腰―――――──まだ未成熟な事を如実に証明している薄い翳りと子供なままの形状を示した、アルヴィス自身。それらが全て、ファントムの目の前に晒されている。

「・・・・キレイだよ、アルヴィス君」

 ファントムは素直に感想を口にした。
 薄暗い地下牢において、仄かに光りを放つかのような白い、象牙色の肌。
 その肌にグロテスクにも色鮮やかなタトゥが彼の身体に絡みつき、元来の肌の白さと相まって妖しいコントラストを作っている。

「―――――本当に、キレイだ・・・」

 もう一度、感嘆を口にする。
 女のものでは有り得ない、けれど成人男性のものとは明らかに違う華奢で肉付きの薄い未成熟な骨格の身体は、まるで熟し切る前の瑞々しくも固い果実のようで。
 淫らさなど欠片も感じさせない幼いままの彼自身も、色素の沈着も無く淡い桜色をしていて、可愛らしい。




 すぐにでもその滑らかな肌を唇で強く吸い上げ、鮮やかな朱色の花を咲かせてやりたいような。

 思う存分、手の平と指先でそっと細い身体のラインを撫で上げて感触を確かめたいような。

 慣らしも何もせずに今すぐ、彼の中心を侵し滅茶苦茶に壊してしまいたいような。



 
 そんな衝動がファントムを襲う。

「やっぱり僕が思った通りだったね。君のキレイな身体に、こんな無粋なタトゥはあって欲しくないんだけれど・・・・でも、『僕好みの今の状態で君に時間を止めて貰う為』には必要なモノだからね―――――───もう少し、我慢してね」

 タトゥが完成したら、君の肌を侵すこのグロテスクなモノは消えるから・・・・そう言い置いて。
 ファントムは指先でそっと骨の形がハッキリと分かる細い腰のラインをなぞった。

「・・・・・・・っ、」

 紅潮した頬のまま、屈辱に濡れた瞳でアルヴィスがファントムを睨み付けている。
 敵だと思っているファントムに、赤裸々な姿を晒している事が我慢ならないのだろう。
 性格から推察するに他人と一緒に水浴びなどをするタイプには見えないし、ましてこんな風に触れ合う程の至近距離から裸体を見られた事など無いに違いなかった。

「僕に見られて、恥ずかしい? でも大丈夫だよ。すぐにそんな余裕、無くしてあげるからね」

「・・・・・・・!!」

 宥めるようにニッコリ笑いながらそう言ってやれば、少年は再び顔を強張らせる。
 自分を魅了する鮮やかな色合いの双眸が絶望を宿し、まだあどけなく美しい貌が恐怖に歪む様がとても愛くるしく思えて、ファントムは満足した―――――───。















「アルヴィス君のコレ・・・キレイなままだね。まだ使ったこと、無いでしょ?」

「・・・・っ、!?」

 ファントムが徐に目の前に晒されているアルヴィス自身に指を絡めれば、彼の身体を押さえつけている左手越しに少年の動揺が伝わってきた。
 男にとっての一番の急所であり最も無防備な部分が、敵である自分に文字通り握られているのだ―――――──精神的にも肉体的にもかなりの鍛錬を重ねてきたのだろうこの少年にとっても、その事態は流石に冷静には受け止められないらしい。

「・・・・・・・・・・・・・・・・、」

 濃い青の瞳で、屈辱を耐えているというよりは不安そうにファントムを凝視している。
 先程、散々胸を弄って性的な官能を煽ってやったばかりだというのに、目の前の少年はどうやら、ファントムによって自身を切り落とされたりしかねない―――――───そんな損壊行為に怯えているようだった。

「・・・・・・・」

 この様子では自慰すらしたことが無いのかも知れない、と思う。
 そういった性的衝動が起こっても、無理矢理に抑えつける姿が想像に難くなかった。

「・・・別に、捻り切ろうとかは思ってないよ? 気持ちイイ事を教えてあげようとしてるだけだから・・・・」

 言いながら、まだ柔らかくつるんとした子供のままなアルヴィス自身を、軽く握って何度か扱いてやる。

「!!」

 それだけでアルヴィスは息を呑みそのまま硬直したが、ファントムは構わずに幼い性器を握り込んで中心部が軽く芯を持つようになるまで執拗に刺激を繰り返した。

「んん・・・っ!? んうっ・・・・ふ、う・・・!!」

 未経験の感覚に混乱したらしく、アルヴィスは狂ったように左右に首を振って後ろ手に拘束されている手が床に擦れるのも構わずに、暴れた。
 だが、両腕は拘束され足を閉じようにもファントムの身体が遮っており、アルヴィスの幼い性はされるがままに翻弄され続ける。
 ファントムの手は休み無くアルヴィスの幼い自身に性的刺激を与え、その先端からヌルヌルと透明な液体が滲み出る頃には抵抗も弱まり・・・・無意識なのだろうが少年の両腿は催促するようにファントムを挟み込み腰を揺らし始めた。

「・・・・・・・っ、ふ・・ぅ」

 息づかいも、苦しげながら何処か官能を含んだモノに変化している。

「気持ちイイ?」

「・・・・・っ、」

 けれども、アルヴィスを握り込んだままファントムが囁くように問えば、まだ気丈にも首を横に振り否定する。

「―――――素直じゃないね・・・」

 感じている事は明白なのに、羞恥からそれでも認めようとしない少年が何処まで頑張れるのかと面白く思いながら、ファントムは握り込んでいるアルヴィス自身の先端を集中的に刺激し始めた。
 包皮から少しだけ頭を覗かせている先端の、先程からひっきりなしに蜜を溢れさせている窪みを舌先でなぞり、ヌルヌルとした分泌液と絡めて捏ね、窪みの中へ戻すように差し込んでやる。同時に、握り込んだ手を上下してやる事も忘れない。

「ん・・っ、んぅーっ!? んんーーーーー!!」

 ファントムが軽くアルヴィスを口に含み先端を吸い上げただけで、少年の身体は大きく仰け反った。

「・・・・・・・・・・」

 アルヴィスを含んだまま、ファントムは上目づかいに少年の様子を伺う。
 少年は猛烈な羞恥からか顔を真っ赤にして、信じられないものを見るような目つきでファントムを見ていた。
 眉を寄せ、苦しそうな―――――それでいて官能の色がありありと伺えるような、切ない表情で。
 力が入りすぎているのか、ガタガタという震えが彼の太腿を抑えているファントムの左手にも伝わってきていた。
 そろそろかな、・・・・と思う。
 さて、どうしようか。舌先での愛撫を続けつつ、ファントムは考えを巡らせた。

「・・・・・・・」

 このまま口で、飲んであげるのも恥ずかしがってくれそうで可愛いだろうし。
 けれど手でイカせて、目の前でイク姿を見てあげるのも楽しそうだ。
 どっちにしようかな―――――そんな事を不埒に迷い・・・そして、手の中の少年がまだ、子供だという事を思い出す。




 やっぱり、僕が大人にしてあげるべきかな―――――───




 心の中でほくそ笑み、ファントムは口の中のアルヴィスを追い上げるべく敏感な先端部分を舌先で強めに嬲り始めた。

「!? んぅっ、んーーーーっっ!!!」

 途端にアルヴィスの身体がまた激しく暴れ出す。
 だがファントムは構わずに、アルヴィスを追い詰め彼自身が弾ける寸前まで口淫を続けた。そして、吐精する瞬間に唇を離し、先端部分がわずかに覗いているだけだったアルヴィス自身の包皮を、握り込んだ手で一気に根元の方へと引き下げる。

「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 白い飛沫が少年の腹に飛び散るのと、声にならない悲鳴が上がったのは同時だった。
 瞬間アルヴィスの目が驚愕に大きく見開かれ、ファントムはその色の美しさと彼の苦悶の表情に深い満足感を覚えた―――――──。





Next 2



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言い訳。
ファンアル拉致監禁話、第1話です(笑)
とりあえず、剥くのはお約束ってことで(爆)
次回、本番です・・・アルヴィス覚悟(笑)