『アルヴィスの優雅で非常識な日常3』 「・・・・・全く。お前はいつになったら、きちんと執事として働けるのだ?」 ペタと呼ばれた顔色の悪い長身の男はロランに向かい、そう言って溜息を付いた。 「屋敷に連絡を取れば、今日、学園に向かったと言うし・・・・それで慌てて来てみれば、余計な事を口走ろうとしているとは」 ロランの後ろから様子を伺っているアルヴィスの事は、全く範疇外(はんちゅうがい)・・・といった態度で、懇々(こんこん)と説教じみた言葉を吐く。 「す、すみません・・・・」 対するロランは、まるで天敵に出逢ったウサギのように身を縮め、頭を下げた。 その姿を見るに、男はロランの上役のような立場なのかも知れない。 他人の機微には疎いアルヴィスでも、それと伺える程にロランは緊張して畏(かしこ)まっていた。 「あ、あの・・でも? 慌ててペタさんが来たというのは・・・・?」 「・・・・・・・・・・・」 遠慮がちに聞いたロランを、男はその深い沼の水のような緑青(ろくしょう)色の眼でじいっと見つめる。 どことなく、男が顔に呆れたような表情を浮かべているように思うのは、アルヴィスの気のせいだろうか。 「指定した日付は、明後日の筈だったのだがな・・・」 「えっ・・・!??」 低い声で言われた内容に、ロランが跳び上がる。 その表情は、これこそ鳩が豆鉄砲を食ったよう――――――と形容する時の見本にしたい位の、驚きっぷりだ。 「明日まで、『彼』はアカルパポートにある荘園(※貴族の私的所有地)の視察に行かれている」 「・・・・・・・・・ああ〜〜そういえば・・・・!!」 「だから明後日にと、言い置いていた筈だったんだがな」 「・・そ、そうでしたっけ・・・・?!! わわわ、ど、どどどうしましょう!!?」 「――――――狼狽(うろ)えるな、もう手遅れだ」 蒼白な顔で泣きそうになったロランと対照的に、男は落ち着いていた。 焦るロランを、相変わらず抑揚のない表情で見上げたまま言葉を続ける。 「ともかく、お前は余計な事は言わず命令通りにしていろ」 「で、ですけど〜〜・・・」 「私から、『彼』には報告しておく。 とりあえず、日付を間違えた事はともかく、後の事は手筈通りに行え。もう計画は動いているのだ」 「・・・・・・・・・」 「いいな?」 有無を言わさぬ迫力で、ロランに念を押し。 謎の男は、アルヴィス達2人に背を向けた。 もう、立ち去るつもりらしい。 今の会話中、男は1度も此方へ視線を向けなかった。 アルヴィスの事は本当に最初から最後まで、完全に蚊帳(かや)の外である。 「・・・・・・・・・・・」 お陰で、とても気になる内容の話が交わされていたのに。 口を挟む隙も、まして呼び止める口実も見つからないままだ。 アルヴィスも、ただロランと共に、艶のない灰色がかった長い髪を背で揺らして去っていく男の後ろ姿を見送るしか無かった。 「・・・・・・・・なあ、」 男が立ち去った後も、呆然と、その姿を見送ったままの体勢で動かないロランに痺れを切らして。 アルヴィスは、その背に声を掛けた。 「今の、・・・・誰だ?」 「あ、ペタさんです」 「・・・・・・・そうじゃなくて、」 短く答えてきたロランに、アルヴィスは顔をしかめ首を振った。 名前は、さっきロランが言っていたから既に知っている。 だがアルヴィスが聞きたいのは、名前じゃなくて何者なのかだ。 「ああ、・・・あの人はですね。・・・・えーと・・・、」 ようやく、ロランがアルヴィスの方へ振り返る。 まだ、どことなく困り顔だ。 「ボクの、・・・先輩執事です」 「先輩しつじ?」 「はい。アルヴィスさま付きの執事になる前は、ボク、・・・いえ私は、あの方の傍で見習い執事をしてたんです」 「・・・・・・・」 「出来が悪くて、いっつも叱られてばかりでしたけどね」 「・・・・・なるほど」 そう説明されて、アルヴィスもようやく合点がいった。 見習い執事とやらが一体どういったものかはピンと来ないのだが、要は、勤め先の先輩と後輩といったようなモノだろう。 ロランが見習い執事として働いていた時の先輩が、あの顔色の悪い男ならば・・・・・ああいった様子になるのかもしれない。 「・・・・今も、なんか怒られてたみたいだが・・・?」 先ほどの会話内容を思い返して、アルヴィスがそれを指摘すると。 ロランは苦笑を浮かべて、頭を掻いた。 「ああ、・・・それはですね・・・・入学日を私が勘違いしてたみたいでして!」 「入学日?」 それは当然、今日のこと。 ・・・・アルヴィスの、入学を指すのだろう。 だが、『勘違い』とは、どういう意味か。 「ええ。本当は、アルヴィスさまは明後日にご入学頂く筈だったんですよね」 「・・・・・・・・・・・」 サラッと答えられて、今度はアルヴィスの方が言葉に詰まる。 つまり。 今日、此処へ来るのは間違っていて。 実際は入学出来ない日なのに、出向いてしまったということだろうか。 しかも他人事ではなくて、―――――――他ならぬアルヴィス当人が!! 「・・・・・・・・・・無駄足だったって事か?」 自然、そう問いただすアルヴィスの口調はキツクなる。 無駄なのだとしたら、この窮屈な着替えそのものが無駄だったという事になるのだ。 この、内臓が口から出てしまいそうな程に上半身を締め付けられるドレスを着せられたこと事態が・・・・無駄なのだとしたら。 ――――――――それはもう、アルヴィスの心中には激しい怒りしか生じない。 「えっ? あ、・・いえ! 大丈夫です!! ちゃんと今日、ご入学するのは可能ですよ!?」 アルヴィスの表情の変化に、ロランが慌てて否定してきた。 「むしろもう、手続きしちゃいましたし! 歓迎のパーティーを開く準備だって始まっちゃってますし、今更取り消しの方が効かないですから!!」 「・・・・・・・・・・・」 「ただ、予定ではちょっと・・・その、運命的なですね出逢いの計画というか何というか・・・その、・・・」 「・・・・・・・・運命? 出逢い・・・計画??」 「あ、えっと、そのォ〜〜・・・・運命っていうか印象深そうなというか、そういうをその・・・狙ってたって言いますか・・・・」 「・・・・・・・・? ・・・・??」 とりあえず、アルヴィスの努力?は、無駄にはならないらしい。 だが、その後に続けられたロランの言葉が、アルヴィスにしてみると全く持って意味不明だ。 運命だとか出逢いだとか計画だとか、印象などという、・・・・一見何の関連性も無い言葉が並べられて、アルヴィスは首を傾げる。 大体、『狙う』とは何のことか。 ロランの言葉からは主語やその他諸々が抜け落ちていて、まるっきり要領が掴めなかった。 「・・・・お前が何を言いたいのか、さっぱり分からない」 「です、・・・よねぇ?」 事態の把握がまるで出来ず不機嫌そのものの様子なアルヴィスに、ロランは苦笑したまま頷いた。 その態度から、アルヴィスには余り詳しい説明をしたくないのだろう様子がうかがえる。 恐らく、ロランはアルヴィスにアレコレと事情を明かしたくないのだ。 「と、とにかく! もうアルヴィスさまのご入学は決まってしまいましたので!!」 ロランは、誤魔化すように一気にアルヴィスに向かって捲し立ててくる。 「今更足掻いても仕方ありませんし・・・・・入学の準備、して参りますねっ!!」 「・・・・仕方ないって、」 「じゃ、そういうことで! アルヴィスさま、もう少し此処でお待ちくださいね〜〜〜!?」 「・・・・・・・・・え。あ、おい・・・?」 気に掛かる言葉をたっぷり残しつつ、ロランはアルヴィスが引き留める間も無いままに走り去ってしまった。 「・・・・・・・・・・・・何なんだ、一体・・・」 だが、コルセットの締め付けと慣れない靴による痛みが辛すぎて、流石にロランを追う気にはなれず。 アルヴィスは呆れ顔のまま、その姿を黙って見送った。 「・・・・・・・・・・まあいいか」 浮かしかけていた腰を、再びベンチに下ろし。 アルヴィスは、先ほどのように片肘を付いてグッタリと、上体をベンチに凭(もた)れ掛けさせる。 ロランの訳の分からない物言いは、今回が初めてという訳じゃない。 それに、考えてみればアルヴィスが把握している事柄の方が、今の環境においては余程少ないのだ。 「・・・・・・・・・・」 大体、数ヶ月前までは自分が貴族の血を引いているという事すら、知らなかったのである。 自分の父親が、お貴族様だったなんて想像すらしたことが無かった。 当然、貴族の暮らしぶりや常識、そして使命なども知る筈が無かったし、考えもしなかった。 まして男として生まれた自分が、オンナの立場で嫁に行かされる羽目になるなど、思いもしなかった。 けれど、そうする事で。 今まで生まれ育った土地の、そこで暮らす、アルヴィスの大好きな人たちが幸せになれるのだと――――――ロランが言ったから。 だからアルヴィスは、今こうして、こんな姿でこの場所に居る。 アルヴィスの今の運命は、ロランによって導かれているのだ。 彼が説明し案内をしてくれなければ、アルヴィスは右も左も・・・・何も分からない赤ん坊みたいなモノである。 何もかもが謎だらけの世界に、突如として放り込まれてしまった状態なのだ。 ロランが口にしていた、『あの方』だとか。 謎の男が発していた『彼』だとか・・・・明らかにアルヴィスの行動を影から指示しているらしき人物が居る気配はあるけれど。 かといって、決して口の上手くないアルヴィスには、それらの疑問を追求し、謎を解明する自信は無い。 あの、一見なよなよとした優男(やさおとこ)ぶりからは想像も出来ないくらいだが、ロランは案外と強かな性格で。 命令なら何でも聞き入れてくれそうな柔らかい物腰や、聞けばペラペラと何でも喋りそうな口軽そうな態度とは裏腹に。 アルヴィスが知りたい肝心要な部分は、頑として明かさない人間だ。 生まれた年数もロランが上だが、口も遙かに相手の方が上だから・・・・・どうしたってアルヴィスは太刀打ちできない。 彼を言い負かす事が出来るくらいなら、アルヴィスは今こうして、窮屈な思いをしながらドレスを着なくて済んでいるだろう。 つまり、ロランに話す気が無い限りは、アルヴィスがどう問い詰めても無駄な可能性が高い。 問い詰めて、もし誤魔化すようならその矛盾点を突く・・・・その為に必要な情報自体が、そもそもアルヴィスには欠けているのだから。 不本意ではあるけれども、今時点では流されるまま大人しくしているしか無い。 別段こういった貴族の世界へ入りたいだとか、裕福な暮らしをしたいという願望は元から無かったアルヴィスだが。 自分さえ頑張れば、今まで世話になった人たちへの恩返しが出来ると聞いてしまえば――――――――――もう、引き下がれなかった。 「・・・・・・・・・・・・おとなしく待ってるか・・・・」 アルヴィスは諦めて、ロランの帰りを待つ事にした。 そもそもドレスが苦しくて、足も痛いから動きたくない。 本音を言えば人目はどうでもいいから、ドレスをさっさと脱ぎ捨ててしまいたい所だが、生憎(あいにく)とアルヴィスには脱ぎ方が分からなかった。 1番上に着せられている服を脱ぐだけでも、随分と身は軽くなるだろうが・・・・アルヴィスを最も苛(さいな)んでいるコルセットや、バネのようなモノが入っていて、こうして座るのにも支障が出ている下履きのスカート(パニエ)なんかは、着脱の仕組みが酷くややこしそうだ。 下手に脱ごうとしたら、逆にキュッと締め上げられて死にそうになる怖さも手伝って、1人で脱ぐ勇気が出ない。 だから、こうしてなるべく楽な体勢で。 ベンチに寝そべり、ロランの帰りを待つのがアルヴィスには1番の得策だろう。 「・・・・・・・・・・・・・・・」 だが、そんなアルヴィスに困った事態が起きた。 足が痛いし、胸は苦しいし。 動きたくなど無いのだが・・・・・・・・・・・・。 「・・・・・・喉、渇いたな・・・・」 朝から、ドレスを着せられるのに大騒動で。 胸も腹も締め付けられて、内臓が口から飛び出てくるのではないかと言うくらい苦しくて。 気がつけば、アルヴィスは朝から殆ど何も口にしていなかった。 というより、出来なかったのである。 何かを口にしても、喉元より下に、食べ物が通過する気が全くしなかった。 今も、過度に締め付けられているせいか空腹は全く感じていない。 しかし、流石に朝から水すら飲んでいなかったから、身体が水分を欲しがり始めたようである。 「・・・・・・・・・・」 1度意識してしまうと、余計に喉の渇きが酷くなった気がした。 「・・・・・・・・・・」 歩きたくない。 ドレスは重いし、胸も腹も締め付けられて、こんな状態で動いたら酸欠で倒れそうだとアルヴィスは思う。 だが、喉がカラカラに渇いて張り付く感覚も辛かった。 只でさえ呼吸が苦しいのに、息を吸い込む度に空気が喉を通過し、余計に喉の水分を奪っていくのが苦痛だ。 「・・・・・・・ちっ」 行儀悪く舌打ちをして。 仕方なくアルヴィスは、のろのろとベンチから起き上がる。 「はぁー・・・・」 体重を掛けた時の足の痛みを思い、重く溜息を吐きながら立ち上がった。 そして、土地勘の無いままにロランが消えた方向へと足を向ける。 学園内にある各建物の位置はまだ把握していないが、ロランが手続きに向かった場所になら、とりあえず飲み物くらいあるだろう。 少なくともロランに逢えれば、持ってきて貰える筈だ。 とにかく、この中庭を突っ切って。 ロランが入っていった(と思われる)、建物内に入れば―――――――――そう思いながら、よろよろとアルヴィスが歩き始めたその途端。 「・・・・うわっ、・・!?」 芝生に転がっていたタマゴ大の石に気付かず、それを華奢な靴で踏みつけ、アルヴィスはぐらりと体勢を崩した。 普段なら踏んだ所で何てことのない石ころだが、慣れない靴を履き重いドレスを身に纏った今のアルヴィスには体勢を立て直すことは不可能だった。 ―――――倒れるっ・・・・!!! そう思った瞬間、何かの影が視界に入る。 アルヴィスは咄嗟に、その影に手を伸ばして掴まった。 それと同時に、誰かの手がアルヴィスの肩を抱き留めるのを感じる。 アルヴィスは体勢を崩したままの状態で、何とか踏みとどまった。 「・・・・・・・・っ、・・・」 顔面に急接近してきた地面との激突は、回避する事が出来たらしい。 「大丈夫ですか?」 知らず安堵の溜息をついたアルヴィスに、心配そうな声が降ってくる。 「・・・・・・・・・・」 反射的に顔を声の方へ向ければ、至近距離でアルヴィスを見つめる青年の顔があった。 そう・・・転ばずに済んだのは、アルヴィスが咄嗟にこの青年に掴まったからなのだ。 「あっ、・・・す・・・済まない・・・!!」 アルヴィスは慌てて、青年から離れる。 咄嗟のことだったとはいえ見知らぬ相手を、傍らにある壁や置物扱いして掴んでしまったのだ。 「ちょっとその、・・・足を取られて。でも、お陰で助かった・・・ありがとう」 石を踏んだくらいで転びそうになったのが恥ずかしくて、アルヴィスは赤くなりつつ頭を下げた。 ロランに口が酸っぱくなるほど、貴族の令嬢的な礼の作法も忘れ、無骨に男らしく頭を下げて謝る。 それ以前に、言葉遣いも普段のままになってしまっていたが、慌てていたアルヴィスからはもう、そんな事などすっかり頭から抜け落ちていた。 「いいえ、どういたしまして」 アルヴィスの態度に、青年は驚く様子も気を悪くした様子も無く、いかにも育ちの良さそうな顔に笑みを浮かべる。 淡くグリーンがかった銀髪に澄んだアクアブルーの瞳をした、なかなかの美青年だ。 前髪をスッキリと真ん中で分け白く秀でた額を露わにした髪型や、黒で統一したスーツの上下、真っ白なドレスシャツに黒のリボンタイを締めた清潔感溢れるその姿を見るに・・・・少々格好は異なるが、ロランのような執事だろうか? とはいえ、青年の少しキツイ印象を与える真っ直ぐで強い眼差しと、意志の強そうな口元のせいなのか・・・・・神経質そうではあるけれど、ロランとは違って毅然(きぜん)とした物腰と洗練された気品を感じる。 「お怪我は無かったですか? 何だかとても、歩きにくそうにされてますけど・・・」 そう心配そうに問うてくる顔もまた、とても上品で誠実さが感じられるものだ。 ロランだったら、『お教えした通り、ちゃんと裾を持ち上げて足元に気をつけないからです!』とでも言ってくる所だ。 「何とも無い。・・・・ただ、こういう靴に慣れてなくて・・・」 「そうなんですか? では、歩かれるのは大変ですよね」 「そうなんだ!! もう、痛くていたくて・・・!!!」 アルヴィスの言葉にも、素直に同情してくれているのが分かる。 ロランは、『慣れてください』の一点張りで、アルヴィスが幾ら痛いと訴えても聞き流していた。 その他の使用人も似たり寄ったりだった・・・・所詮(しょせん)、庶民生まれの人間の苦痛などは知ったことかというヤツだろう。 それに比べて、この見知らぬ執事は何と親切なのか。 アルヴィスは、初めて自分の苦痛に同情してくれたこの青年に、好感を抱いた。 ――――――コイツ、いいヤツだな・・・・!! 自然、足やコルセットの苦痛で多少引きつってはいたが、アルヴィスの顔にも笑みが浮かぶ。 「では、・・・・姫」 そんなアルヴィスをどう思ったのか、青年はクスリと笑って此方へと手を差し出してきた。 「?」 どういうつもりかとアルヴィスが青年を見返せば、青年はニッコリ悪戯っぽく微笑んで口を開く。 「どうぞボクの手をお取り下さい。どちらへ行かれるのか知りませんけど、ボクがお連れ致しますよ」 「・・・・・・・・・・」 一瞬、アルヴィスは青年の笑顔に眼を奪われた。 アルヴィスに手を差し出す、その姿が余りにも洗練されていたからなのか。 それともアルヴィスに向けたその笑顔が、余りにも優しげだったからなのか・・・それは分からない。 本当は、男だしこんな風にオンナ扱いされるのは遠慮被りたい所だけれど。 足が痛いのは切実だし、喉は渇いたし、歩いていて正直、またバランスを崩さないとは言い切れないし。 貴族として生活を始めてから、一切合切の苦労を全部、『貴族なんですから、耐えるのが当たり前です』の一言で片付けられてきたアルヴィスにとって。 こうやって優しい言葉を掛けて貰ったのは、初めてだったから―――――――何か、心に来るモノがあったのだろう。 「・・・・・いいのか? 俺、実は喉がカラカラで・・・」 一応遠慮をしながらも、アルヴィスは差し出された青年の手を取っていたのだった―――――――。 to be continued... ++++++++++++++++++++ 言い訳。 アルヴィス、勝手に執事と思い込んでますけど・・・この青年の正体は・・・・!!(笑) ちなみに、最初の方でペタさんが言ってた『彼』はもちろん、ファントムです★ ファントムは、アルヴィスと運命的な出逢いを仕組みたくて、アルヴィス入学の日も指定してたんですけど・・・ロランが大失態しちゃいました(爆) 運命的な出逢い、ファントムとする前にアルヴィス、別の誰かとしちゃいましたy(爆笑) もちろん、この青年はお察しの通りに『あの彼』です・・・。 つか、拍手SSとは思えない連載ぶりですn(汗) やっぱ別に考えた方がいいですかねー拍手SS・・・。 |